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インプラント治療中、歯がない期間はある?仮歯・食事・仕事の見通し

「前歯を抜いたら、仕事で笑えなくなるのでは」「奥歯の治療が終わるまで、何を食べればいいのか」。インプラントを考えるとき、完成した歯と同じくらい気になるのが、そこに至るまでの生活です。
治療に数か月かかっても、その間ずっと歯がないまま過ごすとは限りません。お口の状態に合わせて仮歯や仮の入れ歯を使う方法があります。ただし、手術直後は装着を控えることもあり、仮歯が入った日から普段どおりに噛めるとも限りません。
わたなべ歯科医院で案内しているインプラント治療の目安は、3〜5か月・5〜10回です。これは治療全体の目安であり、「歯が見えない期間」を示す数字ではありません。見た目を補う時期、食べ方を変える期間、最終的な歯が入る時期を分けると、ご自身の生活に引き寄せて考えられます。
この記事では、主に歯を1本または数本失った方に向けて、治療中の仮歯、食事や仕事、歯磨きの注意点をお伝えします。大泉学園・西大泉で受診を検討している方は、仕事や家族の予定を思い浮かべながらお読みください。
歯がない期間は、治療のどの段階を指すかで変わります
インプラント治療では、歯ぐきの傷が落ち着くまでの時間と、骨の中のインプラントが安定するまでの時間が異なります。痛みが減ったからといって、その部分で硬いものを噛んでよいとは判断できません。
治療の進み方は一人ひとり違いますが、生活への影響を考える際には、次のように分けると整理しやすくなります。
| 治療の段階 | 見た目・食事で考えること |
|---|---|
| 抜歯前・治療計画を立てるとき | 歯を残せるかを検討し、抜歯が必要なら、その後の口元を何で補うか考える |
| 抜歯や手術の直後 | 傷を守ることを優先。装置が傷を圧迫する場合などは、一時的に外して過ごすことがある |
| インプラントと骨の結合を待つ間 | 条件が合えば仮の装置で見た目を補う。使える装置と、噛んでよい範囲は別に決める |
| 最終的な歯を作る前 | 仮歯で形や噛み合わせを試し、使い心地を治療に反映する |
日本口腔インプラント学会も、骨の状態などによって、骨との結合を待つ期間や人工歯を付ける時期は異なると説明しています。骨を補う処置や歯周病の治療が先に必要なら、全体の日程も延びることがあります。
「完成まで何か月か」だけを聞いて帰ると、その間の生活が分からないままです。「抜歯した翌日は何を付けるのか」「いつから治療した側で噛めるのか」まで分かれば、仕事や食事の準備をしやすくなります。
前歯と奥歯では、困る場面が違います
前歯の場合は、会話や笑ったときの見え方が気になる方が多いでしょう。仮歯の色や形だけでなく、取り外し式か、金具が見える位置か、外している時間があるかも生活に関わります。口を閉じたときに目立たなくても、接客中に大きく笑うと見える範囲は変わります。
奥歯の場合は、食事をどこで噛めるかが中心になります。反対側に噛める歯が残っているか、そちらにも痛みや入れ歯の不具合がないかで負担は違います。「反対側を使えばよい」と単純に決められないのは、そのためです。
見た目への影響が小さく、ほかの歯で食事ができるケースでは、治療部位に仮歯を入れず、骨との結合を待つ計画もあります。反対に、仮歯を希望していても、装置が傷に当たるなどの理由で、すぐには使えないことがあります。
抜歯前の方は、「来月、家族写真を撮る」「職場で毎日お客さまと話す」など、外せない予定の日付と場面を伝えてください。これから抜歯が必要かどうかを診断する段階でも構いません。予定だけを理由に抜歯を急がず、歯の保存と生活の両方を考えるための情報になります。
すでに抜歯を済ませた方も、仮歯を検討できます。抜いた時期、現在使っている入れ歯、どこで食べ物を噛んでいるかが分かると、受診時に状況を共有しやすくなります。今の装置があれば持参してください。
仮歯には、三つの支え方があります
仮歯という言葉には、異なる仕組みの装置が含まれます。「固定式だから安心」「入れ歯だから噛めない」と種類だけで決めず、何を支えにしているかを見ていきましょう。
| 支え方 | 使い方と制約 |
|---|---|
| 取り外し式の仮の入れ歯 | 歯のない部分を補う装置。外して手入れできますが、傷への当たり方を調整することがあり、術後は装着を休むこともあります |
| 周囲の歯を利用する仮歯 | 残っている歯で支える方法。支える歯の健康状態、削る必要性、装置にかかる力を考慮します |
| インプラントに取り付ける仮歯 | 骨に入れたインプラントで支える方法。十分な固定や噛み合わせの条件が整ってから使用します |
ここで挙げたのは一般的な選択肢です。失った歯の場所や本数、残っている歯によって、選べる方法は限られます。今の入れ歯をそのまま使えるとも限らず、裏側を調整したり、一時的に使用を控えたりすることがあります。
また、最終的な人工歯は隣の歯に頼らない計画でも、治療中の仮歯は周囲の歯で支えることがあります。最終的な歯の構造だけでなく、途中の装置によって隣の歯を削る必要があるかも、治療を選ぶ材料です。
装置を入れた際には、取り外しの手順と、食事中・就寝中の扱いを教わります。固定されている仮歯を自分で外そうとしたり、取り外し式の装置を無理に押し込んだりしないでください。装着中の痛みは、慣れるまで耐えるべきものと決めつけないことが大切です。
「手術当日に歯が入る」と「すぐ噛める」は別の話です

インプラントの説明に出てくる「即時」は、何をすぐ行うのかによって意味が変わります。
抜歯した日に、骨へインプラントを入れるのが「抜歯即時埋入」です。それだけでは、その日に仮歯を付けるか、噛めるかまでは分かりません。
一方、ITIというインプラント分野の国際的な学術団体は、インプラントを入れて1週間以内に人工歯をつなぎ、噛み合わせの力を受けさせる方法を「即時荷重」としています。同じく早く仮歯を付けても、向かいの歯と接触させない方法は区別されています。
どちらも「仮歯を早く付ける」という点では似ていますが、食事でかけてよい力は同じではありません。仮歯が付いたことだけを目安に、前歯でかじったり、硬い物を噛んだりするのは避けます。
早く仮歯を付けられるかは、骨の量や状態、手術時に得られる固定、噛む力、骨を補う処置の有無などを踏まえて判断します。CTで計画を立てていても、手術中の状態によって予定が変わる可能性はあります。
治療計画には、予定どおり付けられなかったときの過ごし方も含めておきましょう。別の仮の装置を使うのか、傷を守るために何も付けずに待つのか。代替の方法まで説明を受けておくと、当日初めて困る事態を減らせます。
参考:ITI・インプラントを入れる時期と荷重時期の定義・治療指針〈英語〉
食事・仕事・歯磨きは、ここを変えると過ごしやすくなります

食事は、硬さだけでなく一口の大きさにも気を配る
やわらかい食事を指示されたときは、豆腐、卵料理、やわらかく煮た魚などを用意すると、献立を考えやすくなります。おかゆだけに偏らず、食べられる範囲で主食とおかずを組み合わせましょう。
同じ食材でも、大きなまま前歯でかじるのと、小さく切って口へ運ぶのとでは、仮歯にかかる力が違います。前歯の仮歯なら、パンや果物をかじり取る食べ方に注意が必要です。奥歯を治療した方は、使ってよい側や部位を担当医から具体的に教わります。
取り外し式の仮の入れ歯は、食事中に使うものと、外すよう指示されるものがあります。見た目を補う目的の装置を、普通に噛むための歯と取り違えないようにしてください。食事量が減る、痛くて水分が取りにくいときは、食べ方の工夫だけで乗り切ろうとせず医院へ連絡しましょう。
仕事は、手術当日の休みと、その後の予定を分けて組む
仕事を休む日数は一律ではありません。手術の本数、骨を補う処置、麻酔の方法に加え、仕事内容でも変わります。手術当日に長い会議や力仕事を詰め込まず、帰宅後に休める予定を組んでおくと調整しやすくなります。
接客・営業の方は、仮歯があるかに加えて、腫れや話しにくさの影響も考えておきたいところです。装置を使い始めて舌の動きに違和感があれば、普段の会話で言いにくい言葉を診察時に伝えると、困り方が伝わります。
力仕事や運動を伴う仕事では、体を動かす程度を担当医に伝え、再開時期を決めます。出張・旅行の予定がある方は、抜糸や術後の診察に来られる日も残しておきましょう。仮歯の調整で予定外の受診が必要になることもあります。
静脈内鎮静法を使う場合は、運転などへの制限があるため、自分で運転して帰る計画にしないでください。付き添いや帰宅手段、運転を再開できる時期は、医院の指示に従います。駐車場があることと、手術日に運転できることは別です。
歯磨きは、傷の周囲とそれ以外を分ける
「傷に触れるのが怖いから」と、口の中全体の歯磨きをやめてしまう必要はありません。手術部位を避けながら、ほかの歯は普段どおりの清掃を続けます。傷の近くをいつから磨くか、どの歯ブラシを使うかは、処置の内容と治り方に合わせます。
仮歯の周囲も汚れがたまりますが、手術直後の隙間にフロスや歯間ブラシを無理に通すことは避けてください。取り外し式か固定式かで手入れの方法も違うため、自分の装置で実際の清掃手順を教わると、帰宅後に迷いにくくなります。
洗口液だけで清掃を済ませたり、強いうがいで食べかすを取ろうとしたりせず、術後に受けた説明に沿ってケアします。届きにくい場所が残るときは、次の診察で場所を示してください。使う道具や当て方を見直すきっかけになります。
参考:Guy’s and St Thomas’ NHS・インプラント手術後の食事と口腔ケア〈英語〉
次の予約まで待ってよい変化・早めに連絡したい変化
治療中の違和感をすべて異常と考える必要はありません。一方、「仮歯だから仕方がない」と、痛みやぐらつきを放置しないようにしましょう。
| 状態 | 対応の目安 |
|---|---|
| 説明を受けた範囲の軽い違和感で、食事や会話に大きな支障がなく、悪化していない | 指示されたケアを続け、気になる場面を次の診察で伝える。判断に迷うときは医院へ連絡する |
| 仮歯が外れた・割れた、噛み合わせが急に変わった、装置が傷に当たって痛い | 次の予約を待たず、治療した医院へ早めに連絡する |
| 痛みや腫れが強まる、発熱する、出血が続く、食事や水分が取りにくい | その日のうちを目安に医院へ連絡し、受診時期の指示を受ける |
出血が多く止まらない、息苦しさがあるなど急を要する状態では、救急医療機関への受診が必要です。通常の予約フォームへの入力だけで対応を待たないでください。
外れた仮歯は保管し、受診時に持参します。家庭用接着剤で付け直す、自分で削る、無理に押し込むといった処置は避けましょう。連絡時には「手術から何日目か」「いつから何が変わったか」「食事や水分は取れているか」を伝えると、状況を共有しやすくなります。
当院では、仮歯を最終的な噛み合わせの確認にも使います

わたなべ歯科医院の治療案内では、骨とインプラントの結合を待ち、人工歯を取り付ける土台を装着した後、仮歯で噛み合わせを確かめる流れを紹介しています。そのうえで型を取り、最終的な人工歯を作ります。
この工程の仮歯と、抜歯直後の見た目を補うための仮の装置は、役割も使う時期も異なります。「仮歯を使う予定です」という説明を受けたら、治療開始から使えるという意味か、最終的な歯を作る前の工程なのかを分けて考えてください。
仮歯で過ごす間に気づくことは、診療室で短時間噛み合わせるだけでは分からない情報になります。「食べ物がこの場所に入りやすい」「この動きで舌に触れる」「会話の途中で気になる」といった感覚を、次の調整に役立てます。
院長の渡部正義は、日本口腔インプラント学会のインプラント専門医です。歯を失った部分だけでなく、残っている歯や歯ぐき、噛み合わせを含めて治療を考える方針を、院長紹介のインタビューでもお伝えしています。
CTは、骨の厚みや神経の位置などを立体的に把握するための検査です。ただし、画像だけで治療中の使い心地まで決まるわけではありません。周囲の歯を支えにできるか、噛む力がどこにかかるか、無理なく清掃できるかも、仮歯の計画に関わります。
当院の検査・手術から人工歯の装着までの流れは、インプラント治療の詳しい案内に掲載しています。歯周病の治療が先に必要な方は、手術前に行う歯周病の再評価も参考にしてください。
仮歯を含む費用と、追加処置の費用
インプラントは自由診療です。当院の標準的な治療費は、1本あたり40〜60万円(税込)で、仮歯代を含みます。骨を補う処置や静脈内鎮静法などは別途費用がかかることがあり、必要な処置によって総額が変わります。
仮歯代が含まれていても、途中で別の装置を作る費用や、破損時の修理・再製作まで無条件に含まれるとは限りません。作る装置と調整の予定、別料金が発生する条件を治療計画に沿って把握しておくと、途中の負担を見通しやすくなります。
通院の見通しも総額と一緒に考えましょう。骨との結合を待つ期間にも、術後の診察や装置の調整が入ることがあります。治療が長引くときに診療内容や費用がどう変わるか、治療後の定期管理に何が含まれるかまで分かると、生活に組み込みやすくなります。
骨造成や静脈内鎮静法などの追加処置については、わたなべ歯科医院の料金表もご覧ください。ご自身に必要な処置と総額を、治療開始前の見積もりで確かめましょう。
費用だけでなく、手術後の痛み・腫れ・出血・感染、神経への影響によるしびれ、骨と十分に結合しない可能性なども治療選択に関わります。完成後も、インプラント周囲の炎症や人工歯の破損が起こることがあり、日々の清掃と定期的な診察が欠かせません。
手術を避けたい方や通院に制約がある方には、ブリッジや入れ歯が選択肢になることもあります。ブリッジでは支えにする歯への処置や負担、入れ歯では装着感や安定性など、それぞれの利点と制約を比べて選びます。
よくあるご質問
すでに歯を抜いていても、仮歯を作れますか?
抜歯後から検討することもできます。傷の状態、残っている歯、予定するインプラントの位置などによって選べる装置が変わります。使用中の入れ歯があれば、受診時に持参してください。
奥歯にも、必ず仮歯を入れますか?
必ずではありません。見た目への影響や残っている歯での食べやすさ、治療部位への負担を踏まえて決めます。反対側にも噛みにくさがある方は、その点を伝えてください。
仮歯が入れば、普通の食事に戻せますか?
装着と食事制限の解除は別です。特に治療の早い段階では、見た目を補う装置でも強く噛めないことがあります。使ってよい部位と食べ物の硬さは、治療の段階に合わせます。
仮歯が取れたら、元の予約日まで待ってもよいですか?
早めに治療した医院へ連絡してください。自分で接着せず、外れた仮歯を保管します。痛みや出血の有無、噛み合わせの変化も一緒に伝えましょう。
大泉学園・西大泉で、治療中の過ごし方から相談したい方へ
受診前に、治療法まで決めておく必要はありません。「人と話すときの口元が気になる」「奥歯がなくなると食べられるか心配」など、日常で困りそうな場面からお聞かせください。
予約前に、次の四つをスマートフォンなどにメモしておくと、限られた診察時間でも希望を伝えやすくなります。
- 気になる歯の場所と、食べにくさ・見た目のうち特に困っていること
- 仕事や家族行事など、動かしにくい予定の日付
- 今使っている入れ歯や仮歯の有無
- 通院できる時間帯と、費用・治療期間の希望
当院は東京都練馬区西大泉6丁目1-17にあります。大泉学園駅からバスで「西大泉三郵便局」下車。医院前には無料の専用駐車場をご用意しています。
予約時には「インプラントを検討していて、治療中の仮歯や食事について相談したい」とお伝えください。
電話:03-5947-7464
院長紹介
渡部 正義(わたなべ せいぎ)

わたなべ歯科医院 院長
日本口腔インプラント学会 インプラント専門医
2015年、日本大学歯学部卒業。2016〜2024年、浅賀歯科医院で副院長として勤務。2024年、わたなべ歯科医院院長に就任。日本歯周病学会、日本インプラント臨床研究会(CISJ)に所属。