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インプラントの歯ぐきから血が出る・腫れるのはなぜ?インプラント周囲炎の症状と受診目安

インプラント周囲の歯ぐきの腫れ・出血と受診目安を解説するわたなべ歯科医院

「インプラントの周りを磨いたら、歯ブラシに血がついた」

「以前より歯ぐきが赤く、少し腫れている気がする」

「痛みはないけれど、インプラントの周辺から嫌なにおいがする」

インプラントを入れてしばらく問題なく過ごしていた方ほど、こうした変化に気づくと不安になるものです。「人工の歯なのに、歯周病になるの?」「このまま抜けてしまうのでは」と心配になる方もいらっしゃるでしょう。

結論からお伝えすると、一度出血しただけでインプラント周囲炎と決まるわけではありません。歯ブラシやフロスが強く当たった可能性もあれば、歯ぐきだけに炎症が起きるインプラント周囲粘膜炎、被せ物やネジの緩み、隣の天然歯の問題なども考えられます。

ただし、出血や腫れを繰り返す、膿が出る、噛むと違和感がある、グラグラする場合は、見た目だけで様子を見続けない方がよい症状です。インプラント周囲の炎症は、痛みが目立たないまま進むことがあるためです。

この記事では、インプラント周辺に異変を感じた方が、今どのように動けばよいかを判断できるように、症状の見方、受診の目安、歯科医院で確認すること、治療と予防まで順番にご説明します。

【この記事の要点】

・1回の出血だけでは、インプラント周囲炎かどうかは判断できません
・出血や腫れを繰り返す場合は、痛みがなくても早めの確認が必要です
・膿、急な腫れ、明らかなぐらつき、発熱を伴う場合は、予約日を待たずに連絡しましょう
・グラグラしているのが「骨の中のインプラント体」とは限らず、被せ物やネジの緩みの場合もあります
・診断には、歯ぐきの検査、出血・排膿・動揺・噛み合わせの確認、エックス線検査などが必要です

まず確認したいのは「手術直後の腫れ」か「治療後しばらくしてからの腫れ」か

同じ「インプラントの周りが腫れた」という訴えでも、いつ起きたかによって考え方が変わります。

インプラントを埋め込む手術や骨造成を受けた直後は、処置に伴って腫れや痛みが出ることがあります。担当医から説明された範囲で、日ごとに落ち着いているのであれば、治癒過程の反応である可能性があります。

一方、この記事で主に扱うのは、人工歯が入って問題なく使えていたのに、数か月または数年たってから出血や腫れが現れたケースです。手術直後とは原因も確認方法も異なるため、分けて考えなければなりません。

起きた時期・状態考えられること行動の目安
手術後まもなく、説明された範囲で腫れている外科処置に伴う反応の可能性処方薬と術後の注意を守り、経過に不安があれば施術医院へ連絡
手術後、いったん落ち着いたのに腫れが強くなった感染や治癒の遅れなどの確認が必要予約日を待たず、施術医院へ連絡
人工歯が入って数か月・数年後に出血や腫れが出た周囲粘膜の炎症、周囲骨の変化、清掃や補綴物の問題など痛みがなくても歯科医院で確認
顔まで腫れる、発熱、飲み込みにくさがある炎症が広がっている可能性速やかに歯科医院へ連絡。呼吸が苦しい場合は救急受診を検討

術後の経過については、手術内容や骨造成の有無、全身状態によって個人差があります。「何日なら正常」と自己判断するより、症状が強くなる、膿が出る、薬を飲んでも痛みが増すといった変化があれば、治療を行った歯科医院へ連絡してください。

人工の歯でも、周りの歯ぐきと骨には炎症が起こります

インプラントの人工歯と人工歯根そのものは、天然歯のようにむし歯にはなりません。しかし、その周囲にある歯ぐきや顎の骨は、ご自身の組織です。インプラントと歯ぐきの境目にプラークがたまれば、周囲組織に炎症が起こることがあります。

炎症が歯ぐきに相当する軟らかい組織だけにとどまり、骨の吸収を伴わない状態が「インプラント周囲粘膜炎」です。日本口腔インプラント学会と日本歯周病学会の見解では、周囲粘膜炎は軟組織に限られた可逆性の炎症とされています。

一方、炎症が進み、インプラントを支える骨の吸収を伴う状態が「インプラント周囲炎」です。失われた骨が自然に元どおりになるわけではないため、炎症を抑え、進行を止めるための治療が必要になります。

日本歯周病学会の患者向け解説でも、インプラント周囲炎では腫れや出血、膿、インプラントの根元の露出、動揺などがみられる一方、痛みを伴わずに進むことがあると説明されています。

「痛くないから、まだ大丈夫」とは言い切れません。痛みの有無だけでなく、出血、腫れ、膿、歯ぐきの位置、噛み心地の変化を合わせて見る必要があります。

インプラント治療の方法や治療後の注意点については、わたなべ歯科医院のインプラント治療でもご案内しています。

出血や腫れがあっても、すべてがインプラント周囲炎とは限りません

鏡で見ただけでは、どこまで炎症が進んでいるかは分かりません。また、「グラグラする気がする」という症状も、インプラント体を支える骨の問題とは限らず、上に付いている人工歯や連結部分のネジが緩んでいる場合があります。

大切なのは、症状の名前を自分で決めることではなく、どの部分に何が起きているかを分けて確認することです。

状態主な変化骨への影響確認したいこと
一時的な粘膜の傷フロスや歯間ブラシを使った直後だけ出血通常はなし道具のサイズ、力のかけ方、出血を繰り返すか
インプラント周囲粘膜炎赤み、腫れ、清掃時の出血骨吸収を伴わないプラーク、清掃のしやすさ、出血する部位
インプラント周囲炎出血、腫れ、膿、ポケットの変化、歯ぐきが下がるなど支持骨の吸収を伴う過去との比較、エックス線像、排膿、動揺
被せ物・ネジなどのトラブルカタカタする、噛むと動く感じ、音がする骨吸収が原因とは限らないどの部品が動くか、破損、噛み合わせ
隣の天然歯の問題周辺の痛み、腫れ、噛んだ時の違和感天然歯側に問題がある場合もむし歯、歯周病、歯根の炎症、歯のひび

この区別には、歯ぐきの検査と画像による確認が欠かせません。歯ぐきから血が出たことだけで「もうインプラントを外さなければならない」と考える必要はありませんが、反対に、うがいで出血が止まったから解決したとも判断できません。

見逃したくない6つの変化

1.同じ場所から何度も血が出る

歯ブラシやフロスが一度強く当たり、少量の血が出ることはあります。しかし、力を弱めても同じ場所から出血する、数日続く、何もしていない時にもにじむ場合は、周囲粘膜に炎症が起きていないか確認したい状態です。

出血しているからと歯みがきを完全にやめると、プラークが残りやすくなります。強くこすらず、毛先をやさしく当てる範囲の清掃は続け、早めに歯科医院へ相談してください。

2.歯ぐきの赤みや腫れが続く

健康な時と比べて赤みが強い、ぷくっと腫れている、触ると違和感がある場合も炎症のサインになり得ます。

ただし、腫れの原因はプラークだけとは限りません。食べ物が挟まりやすい形になっている、人工歯の周囲を清掃しにくい、隣の歯に問題があるなど、環境側の原因も確認する必要があります。

3.膿が出る、嫌な味やにおいがする

歯ぐきを押すと膿が出る、急に口臭が気になる、苦いような味が続く場合は、感染を伴う炎症が疑われます。膿を自分で押し出したり、器具を差し込んで清掃したりするのは避けましょう。

膿が一時的に出なくなっても、原因がなくなったとは限りません。予約日まで何週間も待たず、症状を伝えて受診時期を相談してください。

4.歯ぐきが下がり、インプラントの根元が見えてきた

以前より人工歯が長く見える、金属部分が見える、歯と歯の間の隙間が広がったように感じる場合は、歯ぐきの位置が変化している可能性があります。

歯ぐきが下がる原因には、炎症だけでなく、粘膜の厚み、ブラッシング圧、補綴物の形態なども関係します。見た目だけで周囲炎とは決められませんが、過去の写真やエックス線と比較する価値があります。

5.噛むと違和感や痛みがある

噛んだ時だけ響く、特定の食べ物で違和感がある場合は、周囲組織の炎症に加え、噛み合わせの変化、人工歯の破損、ネジの緩み、隣の歯の問題なども考えます。

「少し高く当たる気がする」「カチッという感触が変わった」といった情報も診断の手がかりになります。左右どちらで、いつから、どのような食べ物で感じるかを伝えてください。

6.インプラントがグラグラする、カタカタ音がする

明らかな動きがある場合は、早めの確認が必要です。ただし、動いているのが顎の骨に埋まったインプラント体なのか、その上の人工歯やネジなのかで対応は大きく異なります。

人工歯やスクリューの緩みであれば、部品の確認や締め直し、交換、噛み合わせの調整などが検討されます。一方、インプラント体そのものが動いている場合は、骨との結合が失われている可能性があり、より慎重な判断が必要です。

舌や指で何度も動かして確かめると、周囲への負担が増えます。その側で硬い物を噛むことを避け、歯科医院へ連絡しましょう。

症状別|いつ歯科医院へ連絡すればよい?

受診の緊急度は、症状の強さと広がり方によって変わります。迷った時は、次の表を一つの目安にしてください。

受診の目安症状行動
当日中に連絡したい明らかなぐらつき、膿、急に強くなる腫れ、強い痛み、発熱、出血が止まりにくいインプラント治療を受けた歯科医院へ連絡し、受診時期を確認
速やかな対応が必要顔まで腫れてきた、口が開けにくい、飲み込みにくい、全身状態が悪い歯科医院または医療機関へ速やかに相談。呼吸が苦しい場合は救急受診を検討
数日以内を目安に相談出血や腫れを繰り返す、嫌な味やにおい、噛む時の違和感、歯ぐきが下がった痛みがなくても診察予約を取る
近いうちにメンテナンスを予約症状はないが、清掃しにくい、食べ物が挟まる、長期間チェックを受けていない自分に合う清掃方法とメンテナンス間隔を確認

この表は診断ではありません。糖尿病のコントロールが不安定な方、免疫に影響する病気や治療がある方、骨の代謝に関係する薬を服用している方などは、軽い症状に見えても早めに相談した方がよい場合があります。服用中の薬や治療中の病気も歯科医師へ伝えてください。

歯科医院では、何を調べるのか

インプラント周囲炎は、鏡で見ただけでは診断できません。歯科医院では、症状と治療歴を聞いたうえで、複数の情報を組み合わせて判断します。

治療時期とインプラントの情報

いつ、どの部位に、どのメーカー・種類のインプラントを入れたかを確認します。人工歯を装着した時期、最後にメンテナンスを受けた時期、過去にも腫れたことがあるかも大切な情報です。

歯ぐきの状態と清掃状況

赤みや腫れ、プラークの付着、歯ぐきが下がっていないかを見ます。清掃しにくい場所があれば、磨き方だけでなく、人工歯の形や歯間部の広さも確認します。

プロービングによる検査

専用の器具でインプラント周囲の深さを測り、軽い力を加えた時の出血や膿の有無を確認します。1回の数値だけでなく、以前より深くなっていないかという経時的な変化が判断材料になります。

ぐらついている部分の特定

人工歯、アバットメントと呼ばれる連結部分、ネジ、骨の中のインプラント体のどこが動いているのかを分けます。機械的なトラブルと周囲組織の病気を混同しないための確認です。

噛み合わせの確認

一部に強い力が集中していないか、歯ぎしりや食いしばりの影響がないかを確認します。強い咬合力は、ネジの緩みや人工歯の破損にも関係するため、炎症の検査と並行して見ていきます。

エックス線検査、必要に応じたCT検査

インプラント周囲の骨の高さや形を確認します。治療終了時や過去の画像があれば、現在と比較することで変化を捉えやすくなります。部位や症状によっては、歯科用CTで立体的に確認することもあります。

日本口腔インプラント学会と日本歯周病学会は、メンテナンス時にプラーク、プロービング深さ、出血、排膿、エックス線上の骨、動揺、噛み合わせなどを確認する考え方を示しています。

つまり、出血だけ、画像だけという一つの情報で決めるのではなく、過去からの変化を含めて総合的に見ることが大切です。

インプラント周囲の炎症は、なぜ起こるのか

最も基本となる原因は、インプラントと歯ぐきの境目に付着するプラークです。

しかし、「磨けていない人だけがなる」と単純に考えるべきではありません。毎日磨いていても、人工歯の形や位置によって道具が届きにくければ、同じ場所に汚れが残ります。

清掃しにくい環境

歯ブラシの毛先や歯間ブラシが入りにくい、連結した人工歯の下を清掃しづらい、食べ物が頻繁に挟まる状態では、セルフケアだけで管理するのが難しくなります。

道具を増やすだけでなく、どこに何を通すかを実際に確認する必要があります。

歯周病の既往と残っている歯の状態

インプラントだけをきれいにしても、残っている天然歯に歯周病があれば、お口全体の炎症を安定させにくくなります。インプラントを長く維持するためにも、天然歯を含めた歯周病管理が欠かせません。

わたなべ歯科医院では、目の前の1本だけでなく、お口全体の歯ぐきや噛み合わせまで確認することを大切にしています。歯周組織の検査や治療については、歯周病治療のページもご覧ください。

喫煙や糖尿病などの背景

喫煙、糖尿病、過去の歯周炎などは、インプラント周囲組織の健康を考えるうえで確認したい要素です。

糖尿病の方が必ず周囲炎になるわけではありませんが、血糖コントロールの状態や他のリスクと合わせて管理方法を考えます。

禁煙や全身状態の管理について、歯科だけで完結できない場合は、必要に応じて医科の主治医との情報共有も検討します。

噛み合わせ、歯ぎしり、食いしばり

強い力が繰り返しかかると、人工歯の欠けやネジの緩み、対合する歯への負担につながることがあります。炎症がある場合も、プラークの除去だけでなく、過剰な力が加わっていないかを確認します。

メンテナンスが途切れている

インプラントの周囲は、痛みなどの自覚症状だけでは変化に気づきにくい場所です。定期的な記録がなければ、「今の骨の高さが以前と比べて変化しているか」を判断しにくくなります。

メンテナンスは、単に汚れを取る時間ではありません。歯ぐきの出血、ポケットの深さ、骨、噛み合わせ、人工歯やネジの状態を前回と比較するための機会でもあります。

インプラント周囲粘膜炎・周囲炎の治療

治療内容は、炎症が歯ぐきだけにとどまっているか、骨の吸収を伴っているか、人工歯の形や噛み合わせに問題があるかによって変わります。

インプラント周囲粘膜炎の場合

骨吸収を伴わない周囲粘膜炎では、プラークが残る原因を確認し、歯科医院での機械的な清掃、セルフケアの見直し、必要に応じた洗浄などを行います。

歯間ブラシのサイズが合っていない、人工歯の下へ道具が届かない場合は、患者様が実際に使える方法へ調整します。補綴物の形や噛み合わせが関係していれば、その修正を検討することもあります。

早い段階で原因に対応し、短い間隔で再評価することが、骨へ炎症を進ませないために大切です。

インプラント周囲炎の場合

骨吸収を伴う周囲炎では、まず炎症の原因となる汚れを除去し、清掃環境や噛み合わせを整えます。

状態によって、非外科的な清掃・洗浄、抗菌薬の使用などが検討されますが、薬だけで原因となるバイオフィルムや清掃困難な環境を解決できるとは限りません。

深い部分に汚染が残り、非外科的な処置だけでは改善が難しい場合には、歯ぐきを開いてインプラント表面を清掃する外科処置が選択肢になります。

骨欠損の形などによっては再生を目指す処置が検討されることもありますが、すべての状態で失われた骨を回復できるわけではありません。

炎症が大きく進み、インプラント体を安定して維持できない場合には、周囲の組織を守るために撤去が必要になることもあります。

残すことだけを目的にせず、治療によって安定を得られる見込み、清掃のしやすさ、残っている骨、全身状態、再治療の負担まで考えて判断します。

被せ物やネジの緩みの場合

動いているのがインプラント体ではなく、人工歯やネジであれば、緩みや破損の確認、部品の交換、人工歯の修理・再製作、噛み合わせの調整などを検討します。

そのまま噛み続けると部品が破損したり、清掃しにくい隙間が生じたりする可能性があります。周囲炎ではないとしても、早めに確認したいトラブルです。

受診までに気をつけたいこと

異変に気づいてから診察を受けるまでの間は、次の点を意識してください。

  • 指や舌で何度もグラグラを確認しない
  • 動きや噛んだ時の痛みがある側で、硬い物や粘着性のある物を噛まない
  • 膿を押し出したり、先の尖った物を歯ぐきへ差し込んだりしない
  • 出血がある部分を強くこすらず、やさしい清掃を続ける
  • 市販薬や手元に残った抗菌薬だけで済ませない
  • いつから、どの場所に、どのような変化が出たかをメモする
  • 腫れ方が変わる場合は、可能であれば同じ角度で写真を残す

他院でインプラント治療を受け、別の歯科医院へ相談する場合は、インプラントカード、メーカーや製品名が分かる資料、治療前後の画像、治療経過が分かる書類を持参すると確認が進みやすくなります。

日本口腔インプラント学会も、インプラントの種類や手術時の状況は施術した歯科医師が把握しているため、トラブル時はまず治療を行った歯科医師へ相談することが望ましいと案内しています。

転居や閉院などで難しい場合は、分かる範囲の治療情報を準備して相談しましょう。

再発を防ぐために、治療後のメンテナンスで確認すること

インプラント周囲の健康を保つには、自宅での清掃と歯科医院でのメンテナンスを組み合わせる必要があります。

自分に合う道具と当て方を確認する

歯ブラシ、フロス、歯間ブラシなどは、種類を増やせばよいわけではありません。

細すぎる歯間ブラシでは汚れを十分に捉えにくく、太すぎれば歯ぐきを傷つけることがあります。人工歯の形や隙間に合うものを選び、どの方向から通すかまで確認します。

メンテナンスの間隔を一律に決めない

日本口腔インプラント学会・日本歯周病学会の見解では、清掃状態が良く、インプラントや周囲組織に問題がない場合は、一般に4~6か月間隔が一つの目安とされています。

一方、歯周病の既往、プラークコントロール、周囲組織や全身の状態によっては、1~3か月ごとなど短い間隔が望ましい場合があります。

「半年ごとなら全員大丈夫」「毎月通えば安心」というものではありません。前回の検査結果とリスクに合わせて決めることが大切です。

一般的な定期検診の内容や通院間隔については、歯医者の定期検診は何か月に1回なのかを解説した記事も参考にしてください。

インプラント以外の歯も一緒に管理する

インプラントの周囲だけを清掃していても、天然歯の歯周病やむし歯、噛み合わせの問題が残れば、お口全体を安定させにくくなります。

わたなべ歯科医院が大切にしているのは、人工歯を入れて治療を終えることではなく、治療後に再発しにくい口腔内環境を整えることです。

インプラント、残っている歯、歯ぐき、噛み合わせ、生活背景を切り離さずに確認します。

保証条件とメンテナンス費用も事前に確認する

インプラント治療をこれから受ける方は、治療費だけでなく、メンテナンスの頻度と費用、保証期間、保証を受けるための定期受診条件も確認しておきましょう。

わたなべ歯科医院の自費診療保証には定期健診に関する条件があります。料金や保証の詳細はわたなべ歯科医院の料金表をご確認ください。

見積書の確認方法については、インプラント1本の費用はどこまで含む?見積書で確認したい8項目で詳しく解説しています。

わたなべ歯科医院が、インプラントの異変を見る時に大切にしていること

練馬区西大泉のわたなべ歯科医院では、「腫れている部分だけを洗浄して終わり」ではなく、なぜその場所に炎症や負担が生じたのかを確認することを大切にしています。

見るべきなのは、インプラント周囲のプラークだけではありません。残っている歯の歯周病、人工歯の清掃性、噛み合わせ、歯ぎしり・食いしばり、過去の治療経過、全身状態まで含めて考える必要があります。

院長の渡部正義は、日本口腔インプラント学会認定インプラント専門医で、日本歯周病学会、日本大学歯学部歯科保存学第Ⅲ(歯周病)講座にも所属しています。

インプラントと歯周組織を別々に考えず、お口全体を長く維持するための診査・診断を心がけています。

出血や腫れがあるからといって、すぐにインプラントを撤去するとは限りません。反対に、痛みがないという理由だけで問題がないとも判断できません。

今起きている変化を検査で整理し、残せる可能性と治療の限界、今後必要なメンテナンスを順番にお伝えします。

他院で治療したインプラントについてご相談を希望される場合は、使用されているインプラントの種類や治療記録によって確認方法が変わるため、分かる資料をご準備のうえ、事前にお問い合わせください。

よくあるご質問

Q1.歯みがきで1回だけ血が出ました。すぐに受診すべきですか?

1回の少量出血だけで周囲炎とは判断できません。歯ブラシやフロスが強く当たった可能性もあります。

ただし、同じ場所から繰り返し出る、腫れや膿、嫌な味を伴う場合は、痛みがなくても早めに歯科医院へ相談してください。

Q2.痛くなければ、定期検診まで待っても大丈夫ですか?

インプラント周囲の炎症は、痛みが目立たないまま進むことがあります。

出血や腫れを繰り返す、膿が出る、歯ぐきが下がった、噛み心地が変わった場合は、予定している定期検診まで長く待たずに受診時期を相談しましょう。

Q3.インプラントがグラグラすると、必ず撤去になりますか?

必ずではありません。動いているのが人工歯やネジであれば、部品の調整や交換で対応できる場合があります。

一方、骨の中のインプラント体そのものが動いている場合は、骨との結合状態を詳しく確認する必要があります。指や舌で動かさず、早めに受診してください。

Q4.インプラント周囲炎は治りますか?

炎症が周囲粘膜だけにとどまる段階では、清掃と原因への対応によって改善を目指せます。

骨吸収を伴う周囲炎では、失われた骨が必ず元どおりになるわけではなく、炎症を抑えて進行を止め、維持できる状態を目指します。

進行度、骨欠損の形、清掃性、全身状態によって治療の見通しは異なります。

Q5.他院で入れたインプラントでも診てもらえますか?

インプラントはメーカーや部品の種類が多く、治療時の情報がないと対応が難しい場合があります。

まずは治療を受けた歯科医院へ相談するのが基本です。転居や閉院などで難しい場合は、インプラントカード、治療記録、画像などをご準備のうえ、受診を希望する歯科医院へ事前に確認してください。

Q6.症状がなくてもメンテナンスは必要ですか?

必要です。症状が出る前の変化を、前回の検査や画像と比較できることがメンテナンスの大きな役割です。

清掃状態が良く問題がない方は4~6か月間隔が一つの目安ですが、歯周病の既往や清掃状態などによって短くなるため、担当医と相談して決めましょう。

まとめ 出血や腫れは、慌てて結論を出すより「今の状態を確かめる」

インプラント周辺から血が出たり、歯ぐきが腫れたりしても、その場でインプラント周囲炎と決まるわけではありません。

周囲粘膜の炎症、補綴物やネジの緩み、噛み合わせ、隣の歯の問題など、似た症状を示す原因が複数あります。

だからこそ、「どうせ磨きすぎだろう」と放置することも、「もう抜けてしまう」と必要以上に慌てることも避けたいところです。

繰り返す出血や腫れは、痛みがなくても早めに確認する。膿、強い腫れ、明らかなぐらつき、発熱があれば予約日を待たずに連絡する。

そして、治療後はインプラントだけでなく、天然歯、歯ぐき、噛み合わせまで含めたメンテナンスを続ける。この順番が大切です。

練馬区西大泉・大泉学園周辺で、インプラント周辺の出血や腫れ、噛み心地の変化が気になっている方は、症状が強くなるまで待たずにご相談ください。

わたなべ歯科医院では、検査結果をもとに、どこに何が起きているのか、どのような対応が必要なのかを一つずつご説明します。

インプラント治療に関する注意事項

  • 治療費:インプラント治療1本440,000円~
  • 標準的な治療期間:3か月~5か月程度
  • 標準的な通院回数:5回~10回程度
  • 保険適用:原則として自由診療です。一部の特殊な症例を除き、健康保険は適用されません
  • 追加処置:骨の状態や治療計画によって、骨造成、ガイド、静脈内鎮静法などの追加処置と費用が必要になる場合があります
  • 主なリスク・副作用:外科手術に伴う痛み、腫れ、出血、感染、神経損傷によるしびれ、上顎洞に関する合併症などが起こる可能性があります。骨とインプラント体が十分に結合しない、治療後にインプラント周囲の炎症が起こる、人工歯の破損やネジの緩みが生じる場合もあります

※掲載料金および治療期間・回数は2026年8月確認時点です。実際の治療内容、費用、期間、治療後の対応は診査・診断によって異なります。

監修者紹介

渡部 正義(わたなべ せいぎ)

医療法人社団 彩正会 わたなべ歯科医院 院長。2015年に日本大学歯学部を卒業。2016年から2024年まで浅賀歯科医院副院長を務め、2024年にわたなべ歯科医院院長へ就任。

「歯を残すこと」だけでなく、治療後に再発しにくい口腔内環境を整えることを重視。目の前の1本だけではなく、歯周組織、噛み合わせ、残っている歯、生活背景まで含めた治療計画を大切にしています。

【所属・資格】

  • 日本口腔インプラント学会 インプラント専門医
  • 臨床研修指導医
  • 日本歯周病学会 所属
  • 日本インプラント臨床研究会 CISJ 所属
  • 日本大学 歯学部 歯科保存学第Ⅲ(歯周病)講座 所属

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参考情報